抄録
固形廃棄物であるターペンスラッジを焼却処理する際には、常に発火のリスクがある。これはターペンの持つ引火性に由来するものであり、これまでは密閉容器に移し替え、炉に供給することによって引火を回避してきた。しかしこの方法では費用が掛かり、多量に処理する点で問題があるため、新たな処理方法の検討を行った。 今回の実験では、油への熱の伝わりを抑えることによって上記のリスクを低減させることを目的とした。その結果、水と界面活性剤を添加・混合することによって、達成できることが確認できた。これは、界面活性剤の持つ乳化・ゲル化の作用により、ターペンスラッジの引火点が上昇し、着火性も減少したためと考えられる。