抄録
生ごみあるいは食品廃棄物はコンポストやメタン発酵による処理が行われているが、いまだ埋立てや焼却される割合が多く、有効な処理法の開発が求められている。生ごみ中には炭水化物が最も多い。我々は水蒸気爆砕法による食品廃棄物の資源化をめざし、醤油搾りかす、グレープフルーツ果皮、バレイショについてその有効性を検討してきたが、爆砕操作のみでは単糖、低重合度オリゴ糖の収率は低かった。本研究では、生ごみの主成分の一つである炭水化物試料としてでんぷん質である米飯、バレイショ、とうもろこしを用い、水蒸気爆砕操作および熱水加水分解反応を用いた資源化法の有効性を調べることを目的とした。具体的には、これらでんぷん試料の水蒸気爆砕処理によりでんぷん試料を粉砕、一部可溶化、さらに熱水糖化により、単糖、オリゴ糖に変換させ、この爆砕条件および加水分解条件が可溶化率や糖収率に及ぼす影響について調べた。