生ごみ処理法として、コンポスト化の方法が注目を集めている。しかしながら、生ごみ中には脂肪分が多く含まれており、それ自体が微生物分解されるまでに長時間を必要とするだけでなく、脂肪が他の有機物の表面を覆うことで、好気条件の維持を難しくし、微生物が有機物に接触する機会を奪って、良好なコンポスト化を困難にしている。そのため、コンポスト装置中に脂肪が大量に投入されると有機物分解速度が著しく低下し、装置としての性能を損ねてしまうトラブルも多く報告されている。 本研究では、脂肪を添加したコンポスト化において、脂肪の分解過程を把握することを試みた。その結果、脂肪分の投入量によりその分解率が大きく異なるだけでなく、分解開始は他の有機物の分解開始よりも遅れ、そして分解された脂肪の一部は一旦分解中間体もしくは菌体に取り込まれることでコンポスト中に残存していることが明らかになっ