抄録
本報では、安定化モデル精度の向上を実現するための研究として行った、洗い出しモデルにおける埋立廃棄物の深さの違いによる溶出挙動の影響と、カラム実験よりも大きな規模で行った他の研究グループでの実験結果との溶出特性の相関、および全国のオープン型処分場における浸出水データの溶出物質の傾向などについて述べる。安定化モデルとは、洗い出しモデルと、最適化モデルの二つの数式モデルを合わせたモデルである。洗い出しモデルでは、CS処分場に埋め立てた廃棄物への散水による水分供給によって、廃棄物中の有機成分や塩分などがどのように溶出するのかを定量的に模擬することができる。最適化モデルでは、洗い出しモデルで模擬した結果として得られた、時系列での有機成分と塩分の溶出挙動より、浸出水処理設備に関する費用を最小化する(最適な)散水方法を決定することができる。