抄録
医療廃棄物の処理について、「感染性廃棄物処理マニュアル(平成16年3月改定)」のなかで本来は非感染性廃棄物に分類されるものが処理費用の高い感染性廃棄物に分類され、処理費用が増加している医療機関が少なくない。また、多くの医療機関が容量単価で契約を行っており、その結果、正確な廃棄物量を把握している医療機関は少なく、廃棄物量が過重に評価されている傾向にある。 このように医療廃棄物の処理は合理的に行われているとはいえず、改善の方策が求められるところである。そこで本研究では、実際に病院で重量調査を行い、容器あたりの廃棄物のかさ密度を調査し、正確な廃棄物の発生量を推定した。同時に、診療科別の廃棄物発生量の把握も行った。 さらに、改善の方策を提案する際には、まず現場である医療関係機関の考えを把握しておく必要があることから、全国の医療機関に対する意識調査も行った。