抄録
今後,高度経済成長期やバブル期にストックされた建築物が更新時期を迎え建設副産物は増加し,建築物におけるマテリアルフローに大きな変動が起こることは自明である.本研究では,より正確な建築物のマテリアルストック推計のために地理情報システムを用いて建築物の耐用年数の把握,および資材の未回収率がマテリアルストックに与える影響の把握を行う.耐用年数の推計のための基礎となるデータベース作りを4時点で行った.資材の未回収率に関しては,建築物の基礎回収方法によって回収率は大きく変化しマテリアルストックへの影響は大きいものであることが分かった.今後の課題としてはGISデータベースの構築方法を再検討し,平均耐用年数の推計の精度を高めていく必要がある.また,資材未回収率の階層別の把握を行い,ヒアリング調査を行うことにより実際の基礎の回収について知ることが必要である.