抄録
ごみ発生原単位と社会経済的指標との関係については30年以上前から研究がなされている。これらの研究は地域によるごみ発生原単位の差を説明しようとするものである。その結果はごみ発生量の予測や、異なった社会経済的条件の下でのごみ政策の有効性の評価をするために用いられてきた。しかし分析結果が一見お互い矛盾するような場合もある。結果が安定しない理由として、ごみ統計の数値の信頼性の問題や、重回帰における独立変数の選択が不適切であることがあげられている。本報告では住民の平均所得を例に、統計手法によって相反する結果が出る場合もあることを示す。 具体的には市町村単位のデータを用いて重回帰分析を行う際に不等分散の問題が生じ、それへの対処のために重み付け最小二乗法を用いるとウェイト変数の選び方によって独立変数の係数の正負がかわってしまう、ということである。