抄録
ごみ行政は、公衆衛生の向上のみならず、循環型社会形成に果たす役割が求められている。その一方で、自治体は地方分権化などをふまえ、自立した経営が求められるが、昨今の財政逼迫により、ごみ処理費も大きな負担となっている。そのため、費用効果の高い施策の迅速な選定が求められている。そのような目的を達成するためには、廃プラスチックの分別回収の実施といった施策の導入などによってごみの発生・排出がどう変わるかといったことを把握する必要がある。そこで、本研究では特に、容器包装リサイクル法に関連した分別の変更や有料化といったごみ行政の施策効果を考慮した分別収集別のごみの発生・排出量の推定方法を検討した。その方法としては、まず、分別収集区分・有料化等の3R施策の導入履歴とごみの発生・排出の実態について、全国の自治体を対象とした施策動向調査を実施してデータベースを構築した。これら独自に構築するデータベースと各自治体の地域特性に関する統計データを用い、ごみの排出に係る排出原単位および、3R施策・地域特性とごみの排出量との関連を検討した。