日本水処理生物学会誌
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児島湖に棲息する雄鯉の血漿中のビテロジェニン濃度の季節変動
宮永 政光野上 祐作
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2009 年 45 巻 1 号 p. 23-29

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抄録
1963年に児島湾の奥部を締め切って作られた児島湖は,岡山県の水環境の中で最も水質改善が求められている人造淡水湖である。そこに棲息する鯉の血漿中のビテロジェニン濃度を,毎月,5年間にわたってELISA法で測定した。併せて,捕獲された鯉の生殖腺指数(GSI)を生殖腺の重さ/体重で求めた。雄鯉と雌鯉の生殖器官の発達は,晩秋から早春にかけて同じように進行した。雄鯉の血漿中のビテロジェニン濃度の季節変化は,繁殖期を除いて雌鯉のGSIの季節変化と類似していた。児島湖の表層水中の17β-エストラジオールやビスフェノールAの季節変動が見られなかったことから,早春に見られる雄鯉の血漿中のビテロジェニン濃度の上昇は,外因性内分泌攪乱物質によるものではなく,鯉の生殖行動と密接に関係することが明らかとなった。児島湖に棲息する雄鯉の場合,この調査期間中でビテロジェニン濃度が1000 ng/mlを超えた個体数は210匹の1.9%に過ぎなかった。一連の調査結果から,現時点では児島湖の鯉に対するエストロゲン様物質の影響はないものと推定された。
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© 2009 日本水処理生物学会
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