抄録
有毒アオコの繁茂に伴い産生されるミクロシスチンは、高い肝臓毒性と発がんプロモーション作用が報告されている、7つのアミノ酸から構成されるペプチド毒である。一般的なプロテアーゼにより分解されず、自然界でのその消失の多くに、分解菌の関与が指摘されている。我々は、微生物によるミクロシスチン分解機構を明らかにすべく、モデル分解菌としてSphingopyxis sp. C-1株を用いて、まず本菌の特異的な遺伝子破壊法を構築した。そして、その手法を用いて、本菌のゲノム中に存在するmlrA遺伝子が唯一本菌のミクロシスチンの初発分解を行っていることを明らかにした。さらに、MlrAタンパク質が膜に存在していることを突き止め、ペリプラズム領域でミクロシスチンの分解を行っていることを強く示唆するデータを得た。