抄録
本研究では、Feast-famine法を用い、下水処理活性汚泥から異なる温度でポリヒドロキシ酪酸(PHB)蓄積微生物を集積し、集積されたPHB蓄積微生物のPHB蓄積能と種構成に及ぼす集積温度の影響について調査した。PHB蓄積微生物の集積は、酢酸を唯一の外部基質として用い、20℃あるいは28℃に制御した連続回分式リアクターにおいて行った。種汚泥及びPHB蓄積微生物集積系のPHB蓄積能を比較するため、窒素・リン制限条件下でPHB蓄積試験を実施した結果、2種類の集積系は種汚泥の約2倍の最大PHB蓄積率及びPHB収率を有することが明らかとなった。このことから、本研究で検討した温度範囲では、feast-famine法による集積によって汚泥のPHB蓄積能を大幅に高めることができることが示唆された。また、PHB合成に関与するphaC遺伝子のクローンライブラリ解析を行った結果、種汚泥にはBurkholderiales目のPHB蓄積微生物が優占したが、集積後にはRhodocyclales目(特にThauera属)のPHB蓄積微生物の存在比が顕著に増加し、PHB蓄積能がより高い20℃で構築した集積系においてRhodocyclales目のPHB蓄積微生物の存在比の増加割合が高いことが明らかとなった。このことから、Rhodocyclales目のPHB蓄積微生物が集積系の高いPHB蓄積能に関与していることが示唆された。