2018 年 72 巻 6 号 p. 599-603
近年,温暖化等の地球環境問題への対策が各国に求められており,日本はパリ協定の約束草案で2030年度のCO2排出量を2013年度比より26%削減することを目標とした。北越紀州製紙新潟工場でもパリ協定の約束草案達成に貢献する為,当工場では省エネプロジェクトを立ちあげた。プロジェクトで実施した中から「新潟工場スチームトラップ診断」及び「新潟工場8号機1次スクリーン高効率化」の2つの事例を報告する。
新潟工場スチームトラップ診断は,工場構内に多数のスチームトラップが設置されているが,管理が十分で無かった為に蒸気漏洩しているものがあった。そこで,工場構内のスチームトラップを診断した結果,工場構内にはスチームトラップが1,445台あり,その内277台が不良(不良率19.2%),蒸気漏洩量は1.58t/hであった。診断結果をもとに各職場にて不良トラップを取替することで0.3t/hの蒸気ロス削減に繋げた。また,診断したトラップの型式・動作状態を記載した台帳及び配置図を作成することで,今後のスチームトラップ管理がしやすくなった。
新潟工場8号機1次スクリーン高効率化では,相川鉄工製B-1500型スクリーン用アジテーターをMaxi Agitatorに更新し,さらにプーリー比を変更して回転数をダウンすることで消費電力の削減を図った。新潟工場8号機には1次スクリーンが5台あり,すべてにMaxi Agitator及びプーリー比変更を採用したところ,合計115kWの消費電力削減となった。