本稿では当社変性CNF配合樹脂「STARCELⓇ」の特長,並びに成形加工(射出成型,化学発泡成形,ゴム)への応用事例について紹介する。STARCELⓇとは,変性CNFを熱可塑性樹脂に配合したマスタバッチペレットである。変性CNF配合量は20–50%の範囲であり,現在のベース樹脂はLLDPE(低密度ポリエチレン)とホモPPの2種類である。
STARCELⓇの最大の特徴は,予めナノ繊維を調製するのではなく,木材パルプなどの植物繊維を化学変性した後,樹脂と溶融混練する際に樹脂中でナノオーダーへの解繊とナノ分散を同時に達成することを特徴とする「京都プロセス」を採用したことである。STARCELⓇはガラス繊維のような他の補強材と比べて射出成型しやすい特徴があり,変性CNF濃度25%程度であれば,射出圧を若干高めることでベース樹脂と同等の射出性を示す。化学発泡成形体に適用した場合,変性CNFを6%添加することでブランクに対してクッション性を損なうことなく3~4割の軽量化が期待できる。EPDMに適用した場合,カーボンブラックに比べて1/10の添加率で同等の貯蔵弾性率が得られ,燃費に関連する指標であるtan δは4割減となった。