紙パ技協誌
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新製品Z-引張り試験器
内部結合強度のCDプロファイル測定を可能にする新測定器
Thomas Furst野村 友良
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2000 年 54 巻 8 号 p. 1070-1076,032

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抄録

全自動のZ方向引張り試験器がスウェーデンのLorentzen & Wettre社 (L & W社) で開発された。Z方向の試験は従来多くの試験法が存在していたが, いずれもサンプルの準備や測定自体に手間が掛かるものが多く, 測定値もばらつきが大きいので, 正確なZ方向の強さを簡便に得ることは困難であった。
ここで紹介するL&W社のZ方向引張り試験器は, これらの問題を解消するために開発された。すなわち, サンプルは幅10cm程度にカットするだけで, 正確なトリミングや寸法は不要であり, その後は粘着テープの貼り付け, 測定, テープの引き剥がし等全ての作業工程を自動化した。特に同試験器では, 幅10cm程度の長尺サンプルを自動送りしながら測定できるので, マシンの幅方向のプロファイル測定も容易にでき, Z方向の品質管理のレベル向上に大いに役立つものと期待できる。また, 同試験器はTAPPI及びSCANの試験規格に準拠している。
ここでは, L&W社が同試験器を開発する過程で検討された, Z方向の強さに関係する様々な要因を紹介し, また, 参考として従来の試験法の比較検討経緯を述べながら, 同試験器の機能及び仕様を紹介する。

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