抄録
哺乳動物細胞に分裂寿命があることが1961年に米国のHayfIickらによって明らかにされて以来、細胞老化に関するさまざまな研究が行われてきた.とくに最近の分子生物学的研究より老化細胞には細胞増殖に対して抑制的に働く遺伝子産物が存在することが示唆されるようになってきた。既に我々は癌抑制遺伝子として知られている網膜芽腫(Rb)遺伝子およびp53遺伝子が細胞老化に直接関与していることをアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた実験により明らかにしたが、これら既知の遺伝子だけでは細胞老化の機構を説明できず、未知の老化関連遺伝子群の存在が強く示唆された。本稿ではこれら未知の老化関連遺伝子群存在の可能性及びその単離、解析法について考察する。