組織培養研究
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組織構築と細胞外マトリックス系―細胞外マトリックスへの細胞接着装置―
妹尾 春樹畑隆 一郎
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1993 年 12 巻 3 号 p. 237-245

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抄録
肝臓にあって生体のビタミンAの約80%を貯蔵している星細胞(perisinusoidalstellate cells、脂肪摂取細胞、ビタミンA貯蔵細胞とも呼ばれる)はビタミンAレベルを制御し、ビタミンA代謝の中心をなす細胞であり、しかもコラーゲン等の細胞外マトリックス(ECM)を生合成する。その生合成および細胞の増殖はこの細胞が接着するECM自身によって制御されている。このように細胞の増殖、分化、形態、機能および組織の構築は、細胞が不溶性のECMに接着することによって制御される。
不溶性のECMへの細胞接着装置には、焦点接触と点接触、ポドソーム、ヘミデスモゾームがあり、これらの装置を用いて細胞は移動や伸展を行う。これらの接着装置の構造と機能については焦点接触を中心として急速に解析が進んでいる。ここでは種々のタンパク質が複雑な構築を示し、ECMに対する受容体であるインテグリンが局在し、インテグリンは細胞外でアクチンを主体とするミクロフィラメントと連なっている。また焦点接触にはキナーゼ活性を持つ分子が複数存在し、この場所でシグナル伝達がおこなわれる。
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© 日本組織培養学会
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