抄録
マウス摘出空腸のカルバコール誘発収縮に対する抑制作用を指標にして Glycyrrhiza 属植物の根を比較した。 中国内蒙古自治区東部で栽培研究して得た G. uralensis 根の収縮抑制作用は, 野生の G. uralensis から調製された市場品甘草と同程度あった。 また, 中国市場で入手した栽培根の抑制作用も市場品甘草と同等であった。 これらの結果と収縮抑制成分 (glycycoumarin) 含量およびHPLC-profileを比較し, G. uralensis の栽培根はその野生資源の不足を補完する有望な資源になり得ると考えられる。
3 種の Glycyrrhiza 属植物を比較評価した結果, G. inflata 根と G. uralensis 根は強い抑制作用を示したのに対し, G. glabra 根の抑制作用は弱かった。 すでに収縮抑制作用成分として G. inflata 根から licochalcone A, G. uralensis 根から glycycoumarin が明らかにされているが, この両成分はG. glabra 根には含まれていない。 このことが G. glabra 根の作用が弱い要因の一つだと考えられる。
また, Glycyrrhiza 属植物の根の抑制作用と作用成分は根の皮部 (outer periderm) に局在していることが明らかになった。