Journal of UOEH
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特発性間質性肺炎に合併した肺癌の4例
龍 文清津田 徹平岡 克巳城戸 優光
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1990 年 12 巻 2 号 p. 251-260

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抄録
特発性間質性肺炎(IIP)に肺癌が合併しやすいことはよく知られている(9.8-22.8%). 1981年6月から1989年3月まで当科に入院したIIP28例のうち肺癌を合併していたのは4例(14.3%)であった. これまでにIIPに合併した肺癌の特徴として, 男性, 高齢者, 高度喫煙歴を有する患者に多いと言われており, この点では我々の報告と一致していた. 発生母地として, 気管支の上皮化生が考えられたが, 組織型に一定の傾向はなかった. また肺癌発生の部位と蜂巣肺は必ずしも一致していなかった. 肺癌早期発見のためには, 普段より喀痰細胞診や気管支鏡などの検査が有用であることは言うまでもないが, IIP合併肺癌を早期に発見するためには必要に応じて開胸肺生検を考慮せねばならないと考えた. また, 腫瘍マーカーの測定も, 診断に有用であった.
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© 1990 産業医科大学
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