Journal of UOEH
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じん肺との鑑別が問題になったPulmonary Hyalinizing Granulomaの一例
城戸 優光加治木 章永田 忍彦真鍋 英夫岩田 康
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1995 年 17 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

11年間の炭坑坑内作業と15年間の道路工夫としての粉塵作業歴を有する65歳の男性に多発性結節状陰影が発見された. 以前の胸部写真と比べ陰影は明らかに増大し, 画像, TBLB等で診断確定に至らなかったため, 開胸肺生検が施行された. 病理組織学的には, 中心部に渦巻き状の層状の硝子様物質の沈着を特徴とする線維化病変, 周囲には組織球やリンパ球, 形質細胞の浸潤がみられその組織学的特徴より, Liebowにより命名されたpulmonary hyalinizing granulomaと診断した. 本症の原因については不明であるが, 未知の抗原に対する異常な組織反応という観点から, 粉塵曝露との関係, 特に珪肺結節との鑑別について考察した.

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© 1995 産業医科大学
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