Journal of UOEH
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血友病の包括医療
―産業医科大学病院北部九州血友病センターの活動―
白幡 聡小野 織江矢永 由利子山口 政夫大里 敬一
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1996 年 18 巻 2 号 p. 141-150

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抄録
代表的な先天性出血性素因である血友病患者は, "些細な外傷でも大きな出血になることがある"という体質ゆえに, 就学, 就労, 結婚など社会的な面で様々なハンディキャップを背負っている. また, 繰り返す関節内出血の結果生じる関節の可動域制限や筋力の著しい低下が日常生活を困難にしている. さらに血液凝固因子製剤を介したヒト免疫不全ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染が, 身体的のみならず心理的にも血友病患者に大きな負担をもたらしている. このように血友病患者が抱える多様な問題に対処するために, われわれは1984年に産業医科大学病院の中に北部九州血友病センターを開設した. 以来, 10年以上にわたり血友病患者のQOLの改善をめざして活動してきたので, これまでの北部九州血友病センターの歩みを紹介すると共に, センター運営上の問題点について言及した.
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© 1996 産業医科大学
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