健康度自己評価が, 死亡に関わる様々な要因の影響を除いてもなお, 独自に将来の死亡に関係するか否かを明らかにするために本研究を行った. 対象は福岡県Y市の30-79歳の地域住民4,046名である. 調査開始時に健康度自己評価と生活習慣に関する健康調査を行い, 7年間の追跡調査を実施した. 全解析集団を用い, 性, 年齢, 喫煙, 治療状況, 肥満度, 日常生活動作能力を調整して, 自己評価が「健康でない」集団の, 「健康である」集団に対する死因別の相対危険度を比例ハザードモデルを用いて算出すると, 全死因, がん, 循環系疾患, 他死因の相対危険度はそれぞれ2.95(95%CI; 1.93-4.50), 2.96(1.53-5.73), 2.32(0.86-6.26), 4.09(2.12-7.89)であった. 集団選択による偏りを除くために, 追跡開始時に疾患をもっている者また追跡開始後最初の3年間の死亡者を除いて解析しても, 前述の相対危険度のほとんどが若干低くなるが, 実質的に大きな差はみられなかった. さらに前述の有病者, 早期死亡者を同時に除いた解析でも, 全死因の相対危険度は1.89(0.91-3.94)と, 自己評価による健康度と死亡リスクの関連がうかがえた. このことから健康度自己評価それ自体が死亡リスクに独自に影響する健康指標となり得ることが示唆された.
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