Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
マウス肝ミクロソーム中の鉄依存性P型ATPアーゼのATP加水分解活性
竹田 和夫添田 しおり新井 麻美川村 越
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 22 巻 4 号 p. 317-324

詳細
抄録

マウス肝ミクロソームをオクチルチオグルコシド処理して得られたOTG-ミクロソームの示す鉄イオン依存性ATPアーゼ活性について調べた. 至適条件下[300 mMKCl, 3 mM MgCl2, 10 mM GSH, 100μM FeCl3, 3 mM ATP, 50 mM酢酸緩衝液(pH5.0)]での活性は, 約6μmol Pi/mg蛋白質/hrであった. 鉄イオンに対するKm値は20μM. 活性にはGSHやジチオスレイトールのような還元性試薬の共存が必須であり, またFe2+を反応系からバソフェナントロリンスルホン酸でキレートして除くと, ATPアーゼ活性は完全に消失した. またATPアーゼ活性はバナジン酸で阻害された. これらの結果は, OTG-ミクロソーム中には, Fe2+依存性のP型ATPアーゼが存在することを示唆している.

著者関連情報
© 2000 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top