Journal of UOEH
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当院に搬入された院外心肺停止症例の検討
村上 昌宏相原 啓二南立 宏一郎渡辺 浩行古賀 和徳蒲地 正幸佐多 竹良重松 昭生
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2001 年 23 巻 2 号 p. 139-146

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抄録
当院に搬送された77例の院外心肺停止症例について, 原因疾患, 救急救命士の活動状況および予後について検討した. 患者の内訳は男性49例, 女性28例. 原因疾患は55人(71%)が病死と判断されたが, 疾患名が確定できたものは12人(15%)で, 残りの43人(56%)は詳細不明であった. 外因死は22人(29%)であった. 予後は, 自己心拍再開39%, ICU (intensive care unit)入院36%, 1ヵ月生存13%, 社会復帰2.6%(2例)であった. 目撃者, または現場に居合わせた人々による迅速な心肺蘇生術, すなわちbystander CPR (cardiopulmonary resuscitation)を施行されたのは10例で, その群の心拍再開率(50%)は非施行群(37%)を上回っていた. 社会復帰例は2例ともbystander CPRが行われていた. 救急救命士による特定行為については施行群と非施行群の間で, 心拍再開率に有意な差は認めなかった. 蘇生率の改善には, bystander CPRが重要であることが示唆された.
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© 2001 産業医科大学
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