Journal of UOEH
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GC/MSによる室内環境中の防蟻剤の一斉分析
辻 清美伏脇 裕一森 康明嵐谷 奎一中島 大介藤巻 秀和後藤 純雄
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2005 年 27 巻 2 号 p. 151-160

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抄録

石英フィルターおよびEmpore disk C18による捕集とGC/MSによる測定から室内空気中の防蟻剤(13種類)の一斉分析法を確立した. 各物質の定量下限値は空気2m3採取したとき0.02μg/m3, 回収率は66-100%, 相対標準偏差は3.7-14.2%であった. 市販防蟻薬剤を塗布した木片入りのモデルボックスを用いた実験では, 10→20→40℃と温度が上昇していくに伴い, ビス(2, 3, 3, 3-テトラクロロプロピル)エーテル(S421)の放散量が増加していくことが認められた. Etofenproxは温度に関係なく空気中へはほとんど放散されないことが認められた. さらに, decanal, nonanalおよびalkane類(C13〜C14)が比較的高い濃度で検出された. 今回の模擬実験において, 蒸気圧が低い防蟻剤であっても一部の物質は検出された. 従って, これらの化合物による室内環境汚染状況の実地調査が望まれる.

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© 2005 産業医科大学
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