Journal of UOEH
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脳卒中長期生存者の生活満足度と活動制限
佐伯 覚千坂 洋巳蜂須賀 研二
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2005 年 27 巻 2 号 p. 171-177

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抄録

脳卒中急性期から回復期においては, 活動制限と生活の質(QOL)との相関はきわめて高いが, 慢性期以降の両者の関連性についての検討は不十分である. 脳卒中長期生存者の活動制限(基本的日常生活動作能力およびライフスタイル)とQOL評価の一つである生活満足度との関連性を検討した. 初回発症の脳卒中患者で入院による包括的リハビリテーションを受けた63例の外来患者を対象に横断的に評価した. プロフィールのほか, 基本的日常生活動作能力, ライフスタイル, 生活満足度を面接による評価によって行った. 生活満足度は全般に低く, 項目別には否定的見解を示すものが多かった. 生活満足度と基本的日常生活動作能力, あるいは, ライフスタイルとの相関はきわめて弱く, 年齢, 性別およびライフスタイルは生活満足度の予測要因とはならなかった. 脳卒中長期生存者の生活満足度に対する活動制限の影響は低いことが示唆された.

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© 2005 産業医科大学
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