抄録
近年, 中等度から重度の脳卒中片麻痺上肢に対するロボット補助訓練が試行されているが, 運動回復とそれに伴う脳賦活効果については検討がなされていない. 今回, 慢性期脳卒中患者の重度片麻痺上肢に対して12週間のロボット補助訓練を実施した. ロボット補助訓練により, 片麻痺上肢の運動回復と痙性の改善が得られ, 障害側大脳半球運動関連領域の酸化ヘモグロビン濃度の増加を認めた. 慢性期脳卒中患者の片麻痺上肢に対する12週間のロボット補助訓練の結果は, 障害側大脳半球の直接的な賦活効果とともに運動回復の可能性を示唆している.