マッカーシー(1990)による語連想反応の研究法を用いて, 日本人英語学習者の語彙発達に関して, 1)学習者の発達中メンタルレキシコンに含まれる単語間のメンタルリンクの語連想テストによる分析の可能性, 2)低習熟度学習者にとって音韻的類似性が持つ重要性, 3)語連想テストの結果とマッカーシー(1990)で論じられた語連想パターンによる特徴型との相関関係, の3つの論点が持つ教育上の意義を論じる. メンタルレキシコン中の語彙の発達を明確にすることはカテゴリー間の重複部分が多いために困難であるが, 学習された単語間の統語的, 意味的, 概念的関係は, 語連想の検索過程で明らかに観察されること. さらに, メンタルレキシコンにおける結合に沿って語が解釈される際に文脈が重要な役割を果たすことを論じる. また, 教育および今後の研究についての考えも述べる.