Journal of UOEH
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脊髄損傷による右部分骨盤切断ならびに左股関節離断の座位保持再獲得のために作製した骨盤義足ソケット
中西 貴江渡邉 哲朗池田 篤志和田 太蜂須賀 研二
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2012 年 34 巻 2 号 p. 175-182

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抄録

脊髄損傷後対麻痺で,右部分骨盤切除と左股関節離断術を施行した患者に対して,骨盤義足ソケットを作製した.重要な問題点は,骨盤切断端が非対称であることによる座位保持困難であった.我々は,座位保持の再獲得を主な目的として,骨盤義足ソケットを作製した.構成は,2重ソケット式で,外側は硬く,内側は柔らかい素材を用いた.特徴として,褥瘡の再発を予防するための圧分散を図り,安定した座位保持のためにソケットをわずかに後方に傾斜させた.加えて,通気孔,排泄管理のための腹部の窓,着脱のための2つのストラップを装備した.また圧分布測定器により断端と装具間の内圧分散を確認し,皮膚損傷の再発を予防した.患者は2ヶ月間の機能訓練を行った後,座位保持を再獲得し,自動車の運転ができるまで日常生活の拡大が可能となった.

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© 2012 産業医科大学
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