Journal of UOEH
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[症例報告]
重度な進行性の臨床経過をたどった副甲状腺がんの1例
森 博子岡田 洋右新生 忠司田中 良哉
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2014 年 36 巻 4 号 p. 243-249

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抄録
骨粗鬆症,脳梗塞,高カルシウム血症,そして高parathyroid hormone (PTH) 血症を呈した59歳女性について報告する.原発性副甲状腺機能亢進症と診断され,副甲状腺摘出術を施行された.病理学的所見では,副甲状腺腺腫の結果であったが,副甲状腺摘出2年後,3年後に副甲状腺腫大を来し,4年後には肺にも転移し,臨床経過および再摘出病理より副甲状腺癌の再発と診断された.ビスホスホネート静注療法を施行するもカルシウムとPTHは高値のままで,動脈硬化は進み,副甲状腺摘出6年後には下肢閉塞性動脈硬化症により下腿切断となった.副甲状腺癌は有病率0.005%と非常に稀であるが,再発など病気の進行をコントロールすることは非常に難しいと考えられた症例であった.
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© 2014 産業医科大学
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