Journal of UOEH
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タイ男性医療従事者で閉塞性睡眠時無呼吸の高危険群を識別するための簡易ベルリン質問票
イティパット アルンスラットサウィター ルエンヨッルチャクンクリッティン プラティープンラットピッタヤプーム シリパウプラディトスカンヤ キィエムトンクンラナン ジャムルンサップナリン タナパッカイポーンパニタ リンパワッタナスパワン ラオハシリウォンソムデー ピニットスントーンシリンティップ ブンジャラピニョーキッティサック サワンヤウィスス
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2016 年 38 巻 3 号 p. 199-206

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抄録

閉塞性睡眠時無呼吸は,生命の危険を伴う心血管疾患に付随する一般的疾患である.男性の被検者は,女性の被検者よりも閉塞性睡眠時無呼吸の危険性が高い.ベルリン質問票は,閉塞性睡眠時無呼吸の有益なスクリーニング法であり,14項目からなる.ベルリン質問票は,タイまたはアジアの人々用には,補正が必要である.我々はタイ男性医療従事者において,閉塞性睡眠時無呼吸の高危険群の識別に必要なベルリン質問票の項目を明らかにすることを目指した.本研究はコンケン大学医学部に勤務する35歳以上のタイ男性医療従事者について実施した.タイ版ベルリン質問票を無作為に配布した.95%の信頼値をもたらすのに必要な調査対象者は273名であった.多変量ロジスティック回帰分析を用いて,ベルリン質問票の個別項目分析を実施し,閉塞性睡眠時無呼吸の高危険の独立要因を評価した.配布した質問票273のうち,135名が質問票に回答した(49.5%回答率).回答者のうち41名(30.4%)は,閉塞性睡眠時無呼吸の高危険群と認定された.ベルリン質問票の質問項目のうち,頻回の鼾,高肥満度,高血圧症の3項目だけが閉塞性睡眠時無呼吸の独立の高危険要因であった.結論として,ベルリンアンケート質問票は,(睡眠ポリグラフ計ではなく)質問票のみによって閉塞性睡眠時無呼吸の高危険群の認定可能な簡易化が可能である.

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© 2016 産業医科大学
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