Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
薬物が投与されていない2型糖尿病患者における持続的血糖モニタリングの分析
森 博子 岡田 洋右川口 真悠子大塚 隆史宮﨑 恵園田 里美須貝 慧上村 芙美田中 健一元 舞子黒住 旭成澤 学鳥本 桂一田中 良哉
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 40 巻 4 号 p. 287-297

詳細
抄録
薬物が投与されていない2型糖尿病患者のHbA1cによる血糖プロファイルをCGM(continuous glucose monitoring)を用いて検討した.本研究においてHbA1c,平均血糖値に影響する因子を明らかにすることを目的とした.対象患者をHbA1cによって3群に分け(< 7.0% n = 23, 7.0% ≤ HbA1c < 8.0% n = 17 and ≥ 8.0% n = 31),それぞれの群でHbA1c,平均血糖値と関連する因子を解析した.食前血糖は昼食前がもっとも高値で,食後血糖値は,昼食後がもっとも低値であった.HbA1cの悪化とともに,全食事においても食前,食後血糖値は上昇していた.もっとも強く関連する因子は,HbA1cは平均血糖値,平均血糖値は夕食前血糖値,血糖変動は夕食時血糖上昇幅であった.HbA1cのグループ解析では,平均血糖値ともっとも強く関連する因子は,HbA1c < 8.0%群は,昼食前血糖値,HbA1c ≥ 8.0%群は,夕食前血糖値.血糖変動にもっとも強く関連する因子は,HbA1c < 8.0%群は朝食時血糖上昇幅,HbA1c ≥ 8.0%群は昼食後最高血糖値であった.以上の結果は,HbA1cの改善には平均血糖値の改善が重要であった.平均血糖値を改善するために,HbA1c < 7.0%では,朝食後,昼食前血糖値を,7.0% ≤ HbA1c < 8.0%では昼食前,夕食後血糖値を,HbA1c ≥ 8.0%では,昼食後,夕食前血糖値を改善することが重要である.
著者関連情報
© 2018 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top