看護師および准看護師は,看護専門職者としての教育を受けている.看護専門職者の勤労意欲を高めるには,専門家としての仕事に専念できる労働環境を作り出す必要性がある.このような環境を作るための1つの方法として,看護補助者を有効に活用することがあげられる.我々は看護専門職者の看護補助者に対する意識を調査し,これらの意識と勤労意欲との関連性について調査した.本研究の解析対象は,25病院(55床から458床)に勤務する2,170名の女性看護専門職者である.平均年齢は38.0歳(標準偏差,10.6)であった.看護専門職者の看護補助者に対する意識に関する因子分析によって,1. 医療に関連する知識,2. 仕事に対する姿勢,3. 人間関係,4. 看護専門職者の仕事と看護補助者の仕事の区別という4つの因子が抽出された.重回帰分析の結果,年齢が高くなるほど,看護補助者のおかげで高い勤労意欲を維持できているという気持ちは下がっていた.加えて,医療に関連する知識,看護補助者の仕事に対する姿勢,人間関係に満足しているほど,看護補助者のおかげで高い勤労意欲を維持できているという気持ちは高くなっていた.病院の経営者は,これらの知見を考慮して,看護専門職者の勤労意欲が高まるよう看護の労働環境を改善する必要がある.