抄録
アボカド果実, チューリップ球根, ジャガイモ塊茎, カリフラワー芽, キクイモ塊茎, ザゼンソウ肉穂花序などよりミクロソームを調製し, チトロクロームP-450含量とその酵素活性を調べた, 多くの植物に生理的に存在するトランス桂皮酸の水酸化反応の活性は, 必ずしもチトクロームP-450の含量とは比例せず, ジャガイモのように, この反応のP-450当りの非常に高いものから, カリフラワーのように殆ど活性が認められないものまで, 調べた植物種のミクロソーム中では高度に分布の差が観察された. 植物のミクロソーム中には, トランス桂皮酸の水酸化に関与するチトクロームP-450以外の分子種も存在することを示唆している.