2017 年 43 巻 p. 67-77
本研究では,切迫する首都直下地震に備えて,密集市街地の防災・減災に資する住環境の改善のための情報を蓄積した「事前復興GIS データベース」を開発し,地区住民や専門家によるワークショップを通じて,その有用性を検証した。一般的に,データベースには「情報を複層的に蓄積できる」「ニーズに応じた情報の選択が可能」「情報公開ができる」という3 つの特性があるが,今回開発したデータベースは,住環境改善のための地区のまちづくりの計画策定において,(1)将来像のシミュレーション機能,(2)関係主体の合意形成機能,(3)地域住民等の意見のアーカイブの3 つの点で有用であることが明らかとなった。