抄録
特発性乳糜胸が疑われた犬3症例に外科的治療を実施した。術前検査でCTを撮像したところ、3症例とも心臓周囲に脂肪組織と推測される軟部組織が付着していることがあきらかとなった。また3症例に共通して後大静脈短径が著しく拡張していることも判明した。さらに3症例の後大静脈短径と動脈短径の比率は対照群の比率と比較して、有意に高いことが明らかとなった。以上の結果から、今回の特発性乳糜胸の3症例には心室の拡張障害と静脈圧上昇が存在していた可能性が示唆された。3症例には胸管結紮術、心膜切除術、乳糜槽切除術を同時に実施した。3症例とも、術後の再発も認められず、順調に推移していることから、3症例にはこれらの術式の併用が有効であった。