抄録
牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)生ワクチンの接種プログラム設定の参考にするため,ワクチン接種後の抗体の維持期間についての調査を行った. 北海道根室地区の酪農場で飼養される育成牛20頭を試験に用い,BVDV1を成分に含む生ワクチン1回接種群10頭(A 群),生ワクチン接種後にBVDV1とBVDV2を成分に含む不活化ワクチンを接種した群5頭(B群)およびワクチン未接種群5頭(C群)に区分した. A群は3年間の調査期間中にBVDV1とBVDV2に対する抗体価が上昇し維持されB群との間で抗体価に有意な差は認められなかった. C群でも抗体価の大きな上昇が認められなかったことから,調査期間中に野外株が牛群に侵入した可能性は低いと考えられた.BVDV1生ワクチンの1回接種により得られた抗体は少なくとも3年間維持されることが確認された. 本症対策として育成期における生ワクチンの1回接種は有用な手段の一つと考えられた.