抄録
歯肉口内炎を有す猫34頭で全臼歯抜歯処置を行い,治療効果を長期的に評価した. 34頭中17頭は処置後速やかにあるいは徐々に改善し完治に至り,5頭では明らかな改善がみられた. しかし,12頭では長期評価で改善がみられず,特に処置後の短期評価で改善が認められなかった症例や,短期的に改善が得られても経過途中で再燃した症例での長期改善率が悪い傾向があった. また,これら長期経過で改善がみられなかった12頭のうちの5頭で,さらに全顎抜歯を行ったところ4頭が完治し,1頭では改善がみられた. 以上のことより全臼歯抜歯処置後は内科的治療を継続しながら経時的観察を行うことにより,全臼歯抜歯処置で十分な効果が得られるのか,あるいはさらなる治療法としての全顎抜歯を考慮するべきなのかを判断する手がかりになる可能性が示唆された.