猫肺吸虫症5例にみられた胸部X線像の特徴

抄録

静岡県内大井川上流域において5例の猫肺吸虫症が診断された．共通してみられた臨床症状は発咳であり，胸部X線検査での肺病変の特徴は，結節性病変，リング状病変更に部分的無気肺様病変の3つに分類され，これらの病変が単独または組み合わさって存在していた．このうちリング状病変は他の疾患ではみられない特徴的なものであった．いずれの病変も駆虫治療後40日以内に消失した．