抄録
栃木県の豚群における豚トルクテノウイルス(TTV)の浸潤状況,感染動態及び後向き調査を行った.2009年に採取した21農場201検体を用いた浸潤状況調査では,TTV1及びTTV2がすべての農場から検出され,個体別の陽性率はそれぞれ77.6%,56.2%であった.若齢豚の陽性率は月齢が進むに従い上昇傾向を示し,TTV1は5カ月齢(97.7%),TTV2は3カ月齢(91.7%)で最高値となった.繁殖豚の陽性率はTTV1がTTV2より高値で推移する傾向であった.3農場で実施した感染動態調査では,衛生環境等とTTV の浸潤率に関係は認められなかった.後向き調査では,1995年の検出率はTTV1が100%,TTV2が60.0%であり,2008年まで高率に推移した.TTVは県内の豚群に広域かつ高率に浸潤し,古くからまん延していたと考えられた.