日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
腐敗甘薯中毒事例におけるサツマイモからのイポメアマロンの検出
石井 択径別府 成中西 あゆみ森木 啓安田 研田原 則雄山中 典子
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2012 年 65 巻 5 号 p. 355-359

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抄録
繁殖雌牛200頭を飼養する黒毛和種牛繁殖農場で,腐敗したサツマイモを給与された妊娠牛45頭中30頭が呼吸器症状と下痢を呈し,2頭が死亡した.死亡牛は,肉眼的に肺のうっ血と水腫,間質の肥厚,肝臓表面の出血斑が,組織学的に肺血管周囲のリンパ球集簇が認められた.また,発症牛の血清検査成績から,肝機能低下が示唆された.死亡牛の主要臓器から有意な細菌及びウイルスは検出されなかった.給与されたサツマイモからは,Fusarium属菌様の菌糸と胞子が検出された.また,サツマイモ抽出物の薄層クロマトグラフィーにより,イポメアマロンが検出された.以上のことから本症例については腐敗甘薯中毒が強く疑われた.薄層クロマトグラフィーは,特殊な測定機器が不要であり,腐敗甘薯中毒の迅速な診断に有用であると考えられた.
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© 2012 公益社団法人 日本獣医師会
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