日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
犬における腎臓造影CT撮像法
西田 幹久楽 賢治藤原 めぐみ中山 智宏石川 智恵子河野 正太上地 正実
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2012 年 65 巻 5 号 p. 361-364

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抄録
本研究は犬の腎臓造影CT検査の撮像タイミングを検討することを目的とした.健常ビーグル犬においてボーラストラッキング法を用いた多相撮像による腎臓の造影CT検査を行った.造影剤はイオヘキソール750mgI/kg を用い,15秒で静脈内に投与した.造影剤投与後1回目の撮像はボーラストラッキング法を用いて撮像タイミングを決定し,造影剤投与開始後40,60,90,120,180及び300秒にてそれぞれ撮像を行った.腎動・静脈,腎皮質,腎髄質,腎盂及び尿管のCT値を測定した.動脈相は造影剤投与開始後,17及び19秒,皮髄相は40及び60秒,実質相は90及び120秒,排泄相は180及び300秒であった.また,造影剤投与開始後,腹大動脈に設定した関心領域のCT値が150HUに上昇するまでに要する時間と心拍数に相関関係が認められた.犬の腎臓造影CT検査において,ボーラストラッキング法を用いた多相撮像法を行うことで,良好な画像を得ることが可能であることが示唆された.
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© 2012 公益社団法人 日本獣医師会
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