2018 年 71 巻 3 号 p. 135-139
2013年に特定の農場から輸入され,豚サーコウイルス2型(PCV2)感染が疑われた豚112頭について,リアルタイムPCR法により血清中PCV2遺伝子量を測定し,豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)のリスクを評価した.これらの豚全頭は,輸出国でPCV2ワクチンが接種されていたが,輸出のおよそ1カ月前にさまざまな週齢(4〜11週齢)で接種されており,効果が得られているか不明であった.結果,112頭中84頭でPCV2遺伝子の増幅を認め,陽性豚の遺伝子量は103〜108copies/ml,幾何平均遺伝子量は6.0×104copies/ml であった.当該農場からは,血中PCV2遺伝子量が高くなる10〜15週齢頃の豚の輸入が多く認められたものの,全体としてPCVADのリスクは抑制されていることが推察された.