日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
ウサギの不正咬合処置時の麻酔回数が回復時間に及ぼす影響
大成 衷子小川 祐生八村 寿恵山木 誠也鐘ヶ江 晋也網本 昭輝
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キーワード: 麻酔回数, 不正咬合, ウサギ
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2018 年 71 巻 4 号 p. 189-192

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抄録

ウサギの不正咬合では,臼歯の棘の切削処置のために頻回の麻酔が必要となる個体があり,頻回麻酔の影響が懸念されている.今回,当院で歯科処置のために1個体当たり39~103回の頻回の麻酔を実施したウサギ11例について,麻酔回数及び年齢に対する回復時間について検討を行った(頻回麻酔群).また,頻回麻酔群に含まれない同様の歯科処置を行ったウサギ67例について,初回麻酔時に同様の項目について調査を行った(コントロール群).頻回麻酔群では,麻酔回数と回復時間に相関がほとんどなかった.一方,加齢に伴い回復時間が有意に延長し,コントロール群でも同様の結果が得られた.両群の同じ年齢区分の比較で有意差はなかった.したがって,歯科処置などの侵襲の少なく,短時間の麻酔では頻回麻酔の影響よりも,加齢に伴う影響の方が大きいと推察された.

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