2019 年 72 巻 8 号 p. 481-486
豚サーコウイルス2型(PCV2)は,豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)としてさまざまな疾病の原因となる.PCV2の遺伝子型dは2つのグループPCV2d-1とPCV2d-2に分けられ,mPCV2が属するPCV2d-2は,他の遺伝子型に比べ豚体内での増殖能及び感染豚からのウイルス排泄が高く,世界的に優勢な遺伝子型となりつつある.著者らは,2015年に採取した健康な豚の血清よりmPCV2と同じグループであるPCV2d-2(前回の著者らの報告ではPCV2d-1に相当)に属する株を3株確認し,すでに報告した.そこで,国内におけるPCV2d-2の浸潤状況を調査するため,2009~2016年に青森県,千葉県,栃木県,神奈川県,広島県,熊本県の19農場を対象として,健康な豚から採取・保存した血清を用いて,PCV2を検出するPCR法で調べるとともに,検出ウイルスの塩基配列解析から遺伝子型を分類し,各遺伝子型の検出地域と経時的な変化をみた.その結果,PCV2d-2が少なくとも2012年には国内に存在していたことが確認され,それ以降国内に広がっていることが推定された.さらに,2016年には,これまで国内で報告されていないPCV2eが初めて検出された.PCV2d-2及びPCV2eの検出時期及び遺伝子型の変動は,アメリカでの報告とほぼ一致しており,今後の侵入経路を考える有用な情報であると考えられた.