2019 年 72 巻 9 号 p. 555-559
2017年12月,長崎県内のと畜場において,発育不良,削痩,チアノーゼ等を呈し,病畜としてと畜解体された豚に,疣贅性心内膜炎及び肺動脈内壁の粟粒大結節が認められた.また,肺及び腎臓の点状出血や肝臓のうっ血,脾臓の脆弱化も認められた.細菌学的検査で,疣状物,心臓,腎臓,脾臓からActinobacillus pleuropneumoniae(App)が分離され,分離株は,血清型8であった.病理学的検査では,疣状物及び肺動脈の結節で,燕麦様細胞を伴う化膿性壊死性炎が認められ,壊死部にはグラム陰性桿菌が認められた.また,抗App血清型8免疫血清を用いた免疫組織化学では,グラム陰性桿菌に一致して陽性抗原が認められた.以上より,本症例はApp血清型8による疣贅性心内膜炎及び肺動脈炎と診断された.