2020 年 73 巻 2 号 p. 91-95
牛はLeptospira interrogans 血清型Hardjo及びLeptospira borgpeteresentii 血清型Hardjo(L. Hardjo)の維持宿主となることが報告されている.近年,L. Hardjoの国内,特に北海道における乳用牛群への浸潤が報告されている.本研究では,北海道の1酪農場において,L. Hardjo抗体の保有状況と繁殖成績の関連性を検証した.乳汁中のL. Hardjo抗体を調べ,抗体陽性牛(n=54)と陰性牛(n=55)に分類した.分娩後125,150及び200日における受胎率は抗体陽性牛が有意に低かった.生存曲線による空胎日数の比較では抗体陽性牛群で長くなる傾向が認められた.また,妊娠中絶率は,抗体陽性牛で高い傾向が認められた.本研究の結果から,国内の酪農場におけるL. Hardjoの不顕性感染が潜在的に乳牛の生産性を低下させる1要因となり得ることが明らかとなった.