日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
黒毛和種牛枝肉表面に付着する異物の細菌数と細菌叢解析
塚本 真由美苅谷 俊宏山﨑 翔矢小畑 麗向島 幸司村瀬 繁樹朝倉 宏森田 幸雄
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2023 年 76 巻 2 号 p. e11-e17

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抄録

ゼロトレランス検証の有用性を確認するため,獣毛(5),糞便(8),消化管内容物(6),レールダスト(5),フットカッター汚れ(5)が付着した黒毛和種牛枝肉を採材した.獣毛,糞便,消化管内容物間の一般細菌数と腸内細菌科菌群数に有意差がなかった.獣毛-糞便-消化管内容物検体の一般細菌数はレールダスト-フットカッター汚れ検体のそれと比べ高値であった.消化管内容物はFirmicutes 門,獣毛・レールダスト・フットカッター汚れはProteobacteria 門の比率が高く,糞便はFirmicutes 門とProteobacteria 門が高い比率の菌叢であった.付着異物ごとに菌叢の違いが確認された.食肉衛生上,糞便及び消化管内容物だけでなく獣毛が付着したと体表面はトリミングすることが必要であると思われた.

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