2023 年 76 巻 6 号 p. e135-e140
牛ヘルペスウイルス1型(BoHV-1)は牛伝染性鼻気管炎(IBR)の病原体であり,国内では注射及び経鼻の2種類の生ワクチンが用いられている.既報において注射ワクチン株の758-43株にUL49遺伝子の一部欠損,経鼻ワクチン株のRLB106株にUL40遺伝子上の一塩基変異が報告されており,この2種類のワクチン株と野外株を一度に識別する方法として,これらの変異部位を含む領域を増幅し制限酵素Sty Ⅰで切断を行うマルチプレックスPCR-RFLP法を構築した.本法は既報の識別PCR法が対応していないRLB106株と共に758-43株も同時に識別可能であった.さらに他のBoHVへの反応は認められず,識別にDNAシーケンスを必要としない本法はBoHV-1株識別及びIBR診断に有用と考えられた.