2024 年 77 巻 6 号 p. e69-e74
ブロイラー農場において病理解剖所見から大腸菌症と診断された61事例のうち,40事例にエンロフロキサシン製剤を3日間飲水投与,残り21事例には非投与とし,投与前後9日間の斃死淘汰羽数を記録した.斃死淘汰羽数は鶏舎ごとに,診断日の飼養羽数を1万羽とした場合の羽数に換算したのち,エンロフロキサシンの効能評価を試みた.その結果,前期日齢群(7~28日齢)では投与開始2日目から斃死淘汰羽数の減少を認め,後期日齢群(33~38日齢)でも,投与開始2日目から斃死淘汰羽数は減少したが,前期日齢群と比較するとバラつきが大きかった.非投与群(27~38日齢)では診断後の斃死淘汰羽数は増加が続き,その後徐々に減少する傾向を示した.