犬の催吐処置において,ロピニロール点眼とトラネキサム酸静脈内投与の有効性及び安全性を回顧的に比較検討した.2021年から2023年に日本動物医療センターで催吐処置を実施した犬1,161例を対象とし,トラネキサム酸投与群(TXA群581例),ロピニロール点眼群(ROP群580例)に分類した.さらに両剤併用に至った症例を併用群(R&T併用群74例)とした.初回催吐成功率はTXA群25.0%,ROP群70.7%であり,有害事象はTXA群1.9%,ROP群3.1%であった.R&T併用群では91.9%の高い催吐成功率が得られ有害事象は認められなかった.以上の結果,ROPは初回投与においてTXAより高い催吐成功率を示した.また,両剤の併用は安全に実施可能であり,臨床現場における有用性が示唆された.